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アメリカ大統領選の候補者達の謝辞

米国の大統領選挙が終わった直後のそれぞれの候補者の謝辞演説を聞いての感想です。

1.長い旅路の終わり
 "We have come to the end of a long journey," McCain told supporters.
マケイン候補が支援者に向かって述べた謝辞の一文ですが、敗軍の将兵を語らずで、ただ去るのみの感じです。

 ところで、なんでjourneyなのか辞書を引きました。
手元の辞書を見ると次のように書いてありました。
 trip is the general word, usually suggesting return to the starting place
 journey applies to a long or very tiring trip by land to a place for a definete purpose.

 tripは元の場所に戻る旅行だから元に戻っては大統領選挙に勝てないから使えない。
 journeyは長く難儀な陸路の旅行で最終目的地に辿りつく時の表現ですから、今回の敗北の旅路の終わりの表現には馴染むみたいです。
 なる程と思いインターネット検索をかけたら、旧約聖書のモーゼの出エジプト(exodus)は、the long journey through the wilderness to Canaan とありました。神が約束したイスラエルの楽園への脱出がjourneyでした。耶蘇教を背景とした言葉は聖書抜きにはとうてい理解できなと思うと同時に、やはり中学英語をちゃんとやってこなかった不勉強さを改めて痛感しました。
 そう言えば、戦後間もない頃の米国のヒット曲(女性歌手ドリス・ディ)にセンチメンタル・ジャーニーというのがありました。感傷旅行には「journey」がぴったりなんでしょうが、確認のため歌詞を検索してみたら一節が「a sentimental journey to renew old memories」でした。パソコンが言うことを聞かなくなって苦難の末再起動をかけてメモリを呼び出す表現にどんぴしゃりです。

2.夢の実現
  小浜氏の謝辞です。
 "Change has come to America."
  
 対立候補者であったマケインとオバマの両氏とも「come to」を使ってあるので、両方をつなげて遊ぶと、我々の長い旅路の果てに変化がアメリカにもたらされたとなります。
"We have come to the end of a long journey,"  "Change has come to America."

そしてオバマは夢の実現について語ります。
“If there is anyone out there who doubts that America is a place where anything is possible, who still wonders if the dream of our founders is alive in our time, who still questions the power of our democracy, tonight is your answer,” Obama declared.
 意訳すると、アメリカとは努力次第で何でも可能な国だということを疑っている人々や、我々の祖先が願った夢が自分達が今生きている時代に実現できるかどうかをまだ疑っている人々や、我々の民主主義の力を疑問視している人々に対して言いたい、今夜(の選挙結果)がその答えだと。

  疑問という趣旨・意味の単語が順に配置されているのです。最初は「doubt」、次に「wonder」、そして最後は答えを要求する疑問の「question」です。一番大事な民主主義の疑問に対する答えを「answer」で表現しています。こんなうまい配置は、どう見ても事前に準備された草稿でしょう。壇上に立って突然のひらめいて喋ったとは思えません。 テレビニュースを聞いていた時は理解できませんでしたが、インターネットで活字で読むと「dream of our founders]は1960年代の公民権運動Martin Luther King Jr.の「I have a Dream」の演説を彷彿させるものでした。
 キング演説は挫けないでなお夢を持ち続ける「still dream」句と、今回の小浜の「dream of our founders]句のところで醒めた人への「still wonder」の問いかけがうまく対比されるなと思うと同時に直に言うといろいろ影響が出るから慎重に表現する人だなと思いました。
 キング牧師は演説の中で、なお夢がある"I still have a dream"、いつの日にかこのような夢が実現できるであろう"I have a dream that one day"を連発していましたが、そのいつの日が「tonight」なんでしょう。(た)

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